株式会社オグラエンジニアリング 機械設計エンジニア求人サイト

Top interview

代表インタビュー

センスはいらない。
必要なのは、日常への
小さな『なぜ?』
Naoki Kato

加藤直己

株式会社オグラエンジニアリング 代表取締役

「ご縁」から始まった、
30年の設計人生

私は滋賀県彦根市で生まれ育ちました。大学では自動車工学を学びましたが、卒業時はバブル崩壊直後の「就職氷河期」。1年ほどフリーターをしながら悶々と考える中で、「モノづくりの上流工程に携わりたい」という思いが強くなり、ハローワークでこの会社を見つけました。

後々、先代社長に採用理由を聞いたら「うちで初めての大卒が来たから、それだけで決めた」ということでした。そんな「ご縁」から始まったキャリアですが、気づけば30年、この「設計」という奥深い世界にどっぷりと浸かっています。

「なぜ?」の先にある、
知恵が結実する瞬間の
ワクワク感

子供の頃の思い出や、技術屋としてワクワクする瞬間はどんな時でしょうか?

モノづくりへの好奇心のルーツは、父の背中にあります。父は普通の公務員でしたが、何でも自分で作るのが好きな人で、母の内職部屋を自力で建ててしまうような人でした。私も高校時代、バイクのエンジンを力任せにバラバラに分解したことを鮮明に覚えています。それは結局、元に戻せなかったんですが(笑)、「中がどうなっているのか」を知りたいという純粋な好奇心はあの頃から全く変わりません。

今でも、壊れた家電があれば捨てる前に分解してしまいます。構造や仕組みに触れる瞬間に、一番のワクワクを感じるんです。今の仕事においても、バラバラだった条件がパズルのようにパチリと一つの形に収まる「最適解」が見つかった時、技術屋として最高の快感を味わえますね。

鼻をへし折られて知った、
「ゼロイチ」を生む苦しみと喜び

キャリアの中で、特に大きな壁にぶつかったと感じる瞬間はありましたか?

入社10年を過ぎ、自信がついてきた頃に大きな転換期がありました。それまでの仕事は知見を積み上げてきた設計案件ばかりでしたが、あるプロジェクトで白紙から枠組みを決める「ゼロイチ」の設計を任されたんです。これが本当に難しく、自分の知識不足に打ちのめされました。自信満々だった鼻をへし折られた感覚です。

お客さんも正解を持っていない手探りの状態で、「本当にこれで動くのか」という恐怖と戦う日々。でも、納期やコスト、そして「本当にこれで動くのか」という恐怖と戦いながら理論的に課題を潰していった経験が、私を本当の設計士にしてくれたと思っています。

突然告げられたバトン
先代へのご恩返しと、
継承の覚悟

オグラエンジニアリングを受け継ぐことになった経緯と、その時の想いを教えてください。

実は入社時から、先代社長には「お前が継げ」と言われ続けていたんです。まさかと思っていましたが、リーマンショック後の厳しい時期に、「4月からお前がやれ」と3月に突然告げられまして。

正直驚きましたが、特に迷いはありませんでした。バブル崩壊後の就職難の時期に自分を拾い、育ててくれた先代への感謝がありましたし、上の世代がいなくなり、若手を取りまとめる立場にあった自分に託された期待に応えたい。そんな「恩返し」の想いで、今日まで走り続けてきました。

設計の正体は、過去の引き出しを整理し「想像」する力

設計図を描く上で一番大切な能力は何だとお考えですか?

一般的には「空間認識力」が大切だと言われますが、私が一番重要だと思うのは、「想像力」と「記憶力」です。設計というのは毎回ゼロから発明をしているわけではなく、実は過去の経験の組み合わせ、つまり「ケーススタディ」の積み重ねなんです。「前はこういう場面でこの方法が上手くいったな」という記憶がどれだけ整理されて引き出しに入っているか。そして、その引き出しを組み合わせて「こうしてみたらどうだろう?」と仮説を立てる想像力こそが武器になります。

これからの時代、計算や裏付けはAIが助けてくれます。だからこそ人間は、身の回りのものを観察して「どうなっているんだろう?」と記憶し、新しい形を想像する力を磨くべきです。日常の当たり前に疑問を持てる探究心こそが、成長を一番早めてくれます。

相手がニコッとしたら勝ち
設計図は現場への「手紙」

加藤社長が考える「良い仕事」とは、どのようなものでしょうか?

一言で言えば「相手のためになること」に尽きます。私たちはメーカーではないので、お客様の依頼を形にするのが役割です。自分のこだわりを押し付けるのではなく、お客様の思いに寄り添い、そこにプロとしてのアイデアをエッセンスとして加える。提案した図面を見たお客様が「あ、これいいね」とニコッとしてくれたら、それが私たちの勝利なんです。

また、図面というのは製造現場やメンテナンスをする人へ送る「想いを込めた手紙」でもあります。組み立てる人が迷わないか、使う人が怪我をしないか、修理がしやすいか。機能を満たすのはプロとして当たり前ですが、その先にある「現場への思いやり」が図面の質を決めます。信頼という土台の上に、相手への優しさが乗っている仕事。それこそが、私たちの「良い仕事」の定義です。

三本柱の経営で、滋賀から世界を支える強いチームへ

今後、オグラエンジニアリングをどのような組織にしていきたいですか?

私が目指しているのは「どんな時代でも揺るがない、強いチーム」です。現在は半導体洗浄装置が主力ですが、今後は、インフラや移動手段、農業など、複数の異なる業界を支える「三本柱」の経営を確立したいと考えています。特定の業界の景気に左右されず、滋賀・京都・大阪という地に根ざした商圏で、自分たちの強みを多角的に磨き続けたいですね。

そのためには、ベテランの確かな知恵と若手の柔軟な発想が融合する組織作りが欠かせません。「一人親方の集まり」ではなく、チームとして知見を共有し、互いに高め合える集団として、成長し続けたいと思います。40年続く伝統を大切にしながらも、最新のツールや効率的なワークフローを柔軟に取り入れ、次世代へとこの技術を確実に繋いでいくことが、今の私の使命だと思っています。

「できること」より「やりたいこと」を選ぶ勇気を

最後に、これから社会に出る学生へのメッセージをお願いします。

シンプルに「やりたいことをやってください」と伝えたいです。就職活動では「今の自分に何ができるか」という基準で仕事を探してしまいがちですが、私は「できること」を探す必要はないと思っています。それよりも、自分が心から「やりたい」と思えることを探してほしいです。

「やってみたい」という好奇心こそが、成長の最大の原動力です。設計という仕事も、最初の数年は自分が何を描いているのかさえ分からなくて当然。でも、そこで「面白い」と感じて楽しむことができれば、気づいた時には一生モノの武器が身についています。自分の「好き」や「やりたい」という直感を信じてチャレンジしてください。皆さんがワクワクしながら新しい一歩を踏み出すことを、心から応援しています。